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自信と愛着を持って、このデカフェコーヒーをおすすめします。

こんにちは!
10月2回目の投稿ができました。どうも3代目です。

先日店頭及びネットショップ「珈風~coffuu~」にて発売したデカフェコーヒー。
お陰様で発売初日から連日お買い求めいただき、本当に感謝の言葉しかありません。このデカフェコーヒーは、数あるデカフェ生豆の中から、僕自身がこれを扱いたいと強く思い販売に至ったもので一層の愛着があるコーヒーです。今回はそんなデカフェコーヒーのこと、デカフェコーヒーを始めた経緯をお話したいと思います。

デカフェとはなんぞや

最近少しずつ日本でも消費量が増えているデカフェコーヒーですが、どのようにデカフェコーヒーが出来上がるかはご存じでしょうか。
デカフェコーヒーができるまで
カフェインが含まれている普通のコーヒー生豆に、特殊な加工をすることでデカフェ(カフェインレス)生豆となります。「デカフェ」「カフェインレス」という表現が交差していますが、日本のルールではこの2つは同じ。カフェインが90%以上除去されたコーヒーが「デカフェ」「カフェインレス」を名乗ることができます。ただ「ノンカフェイン」は別物。元来カフェインが含まれていないものが「ノンカフェイン」です。

僕たちのデカフェコーヒーには、デカフェ処理の方法からコーヒーの焙煎まで、全ての工程にこだわりが詰まっています。安心して飲めるデカフェ、そして何より美味しいデカフェを楽しんでいただくために、当店がこだわったポイントについて順番にご紹介いたします。

薬品一切不使用のデカフェ加工

まずはデカフェ加工の方法。僕たちのデカフェは、ケー・イー・シーグループ様(三重県桑名市)の“GREEN DECAF PROCESS®”という独自のプロセスによってデカフェ加工されています。この方法では、どの工程でも一切薬品を使わずに、人にも環境にも優しい水と二酸化炭素のみを用いて、コーヒー生豆からカフェインを除去します。デカフェ加工に使用した二酸化炭素は循環して使用するため、その排出量は少なく、国際目標SDGsの意図に沿った環境に優しいプロセスでもあります。
やはり薬品を使用していないということや日本国内で行われた『どこで・どのように行われたかが分かりやすい』プロセスであるというところには、提供する立場としては安心感を覚えました。
GREEN DECAF PROCESS®は、超臨界状態にした二酸化炭素でカフェインを抽出する超臨界二酸化炭素抽出法をベースとし、日本で開発されたカフェイン除去のトータルプロセスです。GREEN DECAF PROCESS®は、”超臨界技術センター㈱の登録商標です。

デカフェ生豆は焙煎までの日数が命?

日本に流通しているデカフェコーヒー、その多くは海外でデカフェ加工されたものが輸送され日本で焙煎されているようです。実はここが盲点。加工されたデカフェ生豆は、通常の生豆に比べて酸化スピードが早く、味に変化が生じやすいことが分かったのです。そのためデカフェ加工後なるべく早く焙煎することがコーヒー本来の味を守る秘訣なのです。僕自身もこのデカフェ生豆を扱う際に初めて知ったことでした。

海外加工品は、デカフェ加工から日本に届くまでおおよそ半年近くかかるといわれています。ただ今回取扱いをさせていただいたケー・イー・シーグループ様のデカフェ生豆は、三重県桑名市でデカフェ加工をされています。そのため加工1ヶ月前後のうちには名古屋の当店で焙煎ができます。鮮度の良さがこのデカフェ生豆を扱いたいと思った理由の1つです。

焙煎も難しかった、ドキドキした。

デカフェ生豆が届き、いよいよ焙煎です。やはり加工がされていることもあって、生豆の時点で通常のコーヒーとは少し様子が違いました。実際に焙煎してみると、火の入り方(焼き色の付き方)も結構違う。焙煎するときの主なチェックポイントは『機械の温度・焼き色・豆の爆ぜる音』なので、焼き色の付き方が違うのは結構ドキドキするんです。それでも焙煎の師匠に相談し、焼けていく豆を観察しながら、お陰様で納得のいく焙煎が出来ました。いやードキドキした。

味はどうなの?デカフェコーヒーを美味しく飲むコツ

無事焙煎できたデカフェコーヒーですが、肝心なのは味です。早速社内で試飲をしてみましたが、酸味はなくまろやかな口当たりとコーヒー本来の苦味が感じられる味に仕上がりました。当店では豆の状態か粉に挽いた状態か、お好みの状態でご提供しているのですが、デカフェコーヒーをご自身で粉に挽くとき1つご注意いただきたいことがあります!

「デカフェは細かく挽いてください!!」

以上です。なぜかというとデカフェ加工の段階で、どうしても通常のコーヒーよりクロロゲン酸の含有量が減ってしまうからです。クロロゲン酸はコーヒー特有の苦味成分です。ただ当店のデカフェ生豆のすごいところは、このクロロゲン酸も最大限に残せる加工方法で生み出されているところ。このデカフェ本当にすごいんです。本当に一度飲んで欲しいです。

話を戻すと、コーヒー豆は細かく挽くほど、味がしっかりと感じられるようになります。全体の表面積が増えて、お湯に触れる面積も増えるからです。なので味をしっかり感じていただくためにもデカフェコーヒーは細かく挽いて味わってください。細かさの加減はお好みでご調整なのですが、あくまで「デカフェは細かく挽く!」ということだけ覚えていただければ嬉しいです。

自信と愛着を持って、このデカフェをオススメします。

こうして生まれた僕たちのデカフェコーヒー。
自信と愛着を持って送り出せるコーヒーです。

これは少々私事ではありますが、このデカフェコーヒーを飲んでほしい人がいます。その人は、コーヒーの味や香りは好きだけれど、カフェインを摂取すると気分が悪くなってしまう、だからコーヒーが飲めずにいました。早速自分が焙煎したデカフェコーヒーを飲んでもらい、久しぶりにコーヒーを飲んで美味しいと思える、なにより不安なくコーヒーを飲むことができると喜んでくれました。そんなコーヒーを提供できたことが本当に嬉しくて、同じ悩みを持っている方にも届けたいと思えました。コーヒー屋としてはまだまだ駆け出しの僕自身ですが、こんな風に誰かに喜んでもらえるコーヒーをこれからもっともっと届けたいです。届けられるように頑張ります。

妊娠・授乳中の方や、睡眠の不安無く夜でもコーヒーを楽しみたい方、体質的にカフェインが受け付けないけどコーヒーの味や香りを楽しみたい方などなど、必要としている方へ届く新しいコーヒーの楽しみ方として、デカフェが広がっていくきっかけの1つにこのデカフェコーヒーを選んで頂けたら嬉しいです。

関連ブログ「3代目の珈琲見聞録」

3代目の珈琲見聞録

2021年春に家業である澤井コーヒー本店へUターンした3代目が、澤井コーヒー本店のこと、コーヒーにまつわる役に立つお話から役に立たないお話まで、日々発信して参ります。